アメリカの第二次シビルウォーの後、プロチョイス派とプロライフ派は同意に至った。彼らの生命法によれば、人間の生命は受胎の瞬間から十三歳までは終わらせてはならない。しかし十三歳から十八歳までの間なら、親は"アンワインディング”というプロセスを経…
のんびりしたいなあ、という時がある。わりとしょっちゅうある。 そういう時に読みたいのがエッセイだ。それも短い話がいくつも入ったものがいい。それが食べ物についての話だとなおいい。食べ物の話を読むと何か食べたくなるし、何か食べなくなるということ…
今回ご紹介するのは、アフリカやアラビアの神話にルーツをもつファンタジー三部作の第一作、”The Final Strife”。 赤は精鋭たち、魔法と支配の血。 青は貧しい者たち、働く者、反逆者たちの血。 透明は奴隷たち、打ちひしがれた者、見えない者たちの血。 Syl…
Shudderという配信サービスがある。残念ながら日本からは契約できないのだが、主にホラーを扱う配信サービスで、オリジナルの映画やドラマを制作してもいる。このオリジナル作品、いくつかは日本でも公開されているのだが、なかなかのラインナップなのである…
今回ご紹介するのは、ご長寿YAホラーシリーズ"Fear Street"の一冊”The Confession”。 クラスメイトのアルが死んだ時、ジュリーとその友人たちは、心が砕けてしまったとはいえない。アルには我慢ならなかったし、ならずその死を願いさえしたからだ。しかし他…
「これから泳ぎにいきませんか」という、なんとも謎めいて魅力的なタイトルの本がある。穂村弘による書評集だ。読んでいると、このタイトルが、ある人物から実際に投げかけられたことばであることが判明する。その人と穂村は、夕食を食べながら仕事の打ち合…
今回ご紹介するのは、今注目の作家、セレステ・イングの長編第三作、”Our Missing Hearts”。 12歳のBird Gardnerは愛情深い父と共に静かに暮らしている。父は以前言語学者だったが、今は大学図書館で棚に本を並べている。 中国系アメリカ人で詩人の母マーガ…