今回ご紹介するのは、今注目の作家、セレステ・イングの長編第三作、”Our Missing Hearts”。
12歳のBird Gardnerは愛情深い父と共に静かに暮らしている。父は以前言語学者だったが、今は大学図書館で棚に本を並べている。 中国系アメリカ人で詩人の母マーガレットは、Birdが九歳の時跡形なく消えてしまった。何が起こったのかは知らない-彼女の本が禁止されたことしか-そして彼女にとっては息子より自分の作品が大事だったことに、腹を立てている。
そしてある日、Birdは謎の絵しか描かれていない不思議な手紙を受け取り、母を見つける旅に引き込まれる。その旅は子供の時、母が頭に注ぎ込んだ数多くのおとぎ話に彼を連れ戻し、英雄的な図書館員たちの地下組織を経て、ついにはニューヨークに至り、母に何が起きたのか、ふたりの未来はどうなるかを、彼はそこで学ぶことになる。
イングの作品は第一作”Everything I Never Told You”が『秘密にしていたこと』(田栗美奈子 訳、アストラハウス)として、”Little Fires Everywhere”が『密やかな炎』(井上里訳、早川書房)として、邦訳が刊行されている。第三作の本作もいずれ邦訳されますように。
”Little Fires Everywhere”はリース・ウィザースプーンとケリー・ワシントンでドラマ化され、日本ではアマゾンプライムで視聴することができるのだが、アマゾンプライムのページによるとまもなく配信が終了となるらしい。
リース・ウィザースプーンが毎月女性が物語の中心となる本を選ぶリースズ・ブック・クラブでは、過去に”Little Fires Everywhere”と”Our Missing Hearts”が選ばれている。このリストを眺めるのも楽しい。
『秘密にしていたこと』
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『密やかな炎』
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