本日ご紹介するのは、『探偵は壊れた街で』『探偵は孤高の道を』の私立探偵クレア・デウィット・シリーズなどの邦訳があるサラ・グラン作、”Come Closer”。
普通じゃないことが起こっていると考える理由はなかった。
アパートの奇妙な物音。
衝動的な行動。
強烈な夢。
何もかもが突然におかしくなったわけではなかった。
万引き。
けんか。
記憶喪失。
これらのことすべてに、筋の通った説明がつくはずだ。
多くを語らない上記のあらすじからはどういう話なのかよくわからないが、まず目を惹いたのは”cult classic"という出版社の謳い文句だ。そして各誌が寄せている賞賛も、「すごくぞっとする」「邪悪」「恐ろしい」と短いながらも気になる。creepyという言葉が繰り返し使われているところも気になる。サンプル部分を読んでみたが、職場で上司への悪口を綴った紙を置いたと疑われたこと、アパートで奇妙な音がし始めたこと、と小さな、しかし不気味な出来事が、淡々と、不穏な雰囲気を漂わせながら語られ、先が気になってしまう。196ページと読みやすいボリュームである。
出版社のページはこちら↓