夜になるまえに

本の話をするところ。

ファンは必読です(断言)。「The HEARTSTOPPER YEARBOOK ハートストッパー・イヤーブック」

さて、筆者は「HEARTSTOPPER ハートストッパー」のファンである。これまでこのシリーズについては、未邦訳の短編小説のレビュー二本とシリーズ全体についての記事一本を書いた。

 

 

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 今回の記事で取り上げるのは、このほど満を持して発売されたファンブック「The HEARTSTOPPER YEARBOOK ハートストッパー・イヤーブック」である。この本、ファンなら必読の一冊になっているのだ。その理由を述べていきたいと思う。

理由1:作者自身が時系列で語る作品の成り立ち
 2013年に作者が描いたイラストにはじまり、今とはだいぶ違ったタッチで描かれたニックとチャーリーを見ることができる。また、今まで単行本に収録されていなかったイラストもはさまれていて、その中にはニックとチャーリーはもちろん、おなじみの面々やトリとマイケル、幼いニックとネリーの姿(かわいい)もある。

理由2:キャラクターのプロフィール
 各キャラクターの情報のみならず、作者アリス・オズマンが一言そのキャラクターについて語るところがあって、それが面白い。創造秘話が明かされたり、自作の小説の話が顔を出したりする。一番興味深いと思ったのはベン・ホープに対する言葉で、深くうなずいてしまった。

理由3:ミニ・コミック
 「「HEARTSTOPPER ハートストッパー」をより楽しむために」という記事内で、Web版でのみ読めるミニ・コミックを整理したことがあるのだが、その中の二本、“Moments”と”The Teachers”がめでたく邦訳されて収録されている。更にWebでも読めない「ガールフレンド」というミニ・コミックも本書で読める。主役はタラとダーシー。

というわけで、作者によるシリーズの成り立ちや各キャラクターへのコメントはもちろん、ここでしか読めない短編まで収録されている本書は、シリーズのファンなら必読の楽しい一冊になっている、と断言する次第である。

※ファールーク先生とアジャイ先生のファン(筆者もその一人である)のために更に付け加えておくと、作者がさらっと創造秘話を明かしていたり、休日を過ごす二人のイラストが載っていたり、これまで日本語で読めなかった前述の”The Teachers”の邦訳が収録されています…ふたりのファンにはなおさら必読なのです…