夜になるまえに

本の話をするところ。

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

いつの時代も人間は同じ。 「狙った獣」

押していただけたらうれしいです!↓ ランキング参加中読書 ※ネタバレがあります。 マーガレット・ミラーは恐ろしく素晴らしい作家だ。「狙った獣」。まずはいつもながらタイトルが素晴らしい。導入部もそう。知らない女が電話をかけてきて意味不明のことを言…

「衣裳戸棚の女」が極私的密室殺人ベスト1である理由。

押していただけたらうれしいです!↓ ランキング参加中読書 あなたは密室殺人がお好きでしょうか? お好きでしょうね。 たとえば鍵のかかった部屋で、たとえば足跡のない雪の中で、他殺体としか思えない死体が発見される。誰がどうやって殺したのか? いいで…

わたしたちはどちら側にいるのか「生命式」

表題作「生命式」に描かれるのは、たとえば剣と魔法が活躍するファンタジー世界、ではない。それは今わたしたちが住んでいるこの世界、に限りなくよく似ている、ようだ。しかし昼食時に主人公池谷の後輩から「以前職場にいた中尾さんが亡くなった」というニ…

だって川上弘美がそう書いているのだから。 「東京日記 1+2 卵一個ぶんのお祝い。/ほかに踊りを知らない」

エッセイの書評を書くのは難しい。いわんや日記の書評をや。しかも、これは日記、なのだけれども、当たり前ながら川上弘美の書くものでもあって、川上弘美の書くものに書評など本来ならば必要はないのである。百足になぜおまえの足はそんなに多いの? と訊い…

It's still the same old story「イン・ザ・ドリームハウス」

時に人と人との関係は暴力的なものになる――こう書くと、恐らくはたいていの人が「それはそうだろう」と思うのではないだろうか。しかし、そこにいくつかの要素を足してみよう。親にたたかれた――それは子どもであるあなたが悪いことをしたから躾をしているの…