2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧
今回はいつもと違って本ではなくホラー映画の話をしようと思う。このブログは基本的には本の話をする場所なのだが、時にホラー映画の話をする場所にもなる。なぜなら筆者がマイナーなホラー映画を紹介するZINEを作ってしまうほどホラー映画が好きだからだ。 …
今回ご紹介するのは、レイチェル・ヘンのデビュー作、”Suicide Club”。 レア・キリノは<ライファー>だ。つまり、遺伝子のサイコロでいい目を出し、永遠に生きる可能性を与えられたということだ—もしも全部正しくやれば、だが。そしてレアは人並み以上の成功…
「LETTERS UNBOUND」はほんやくシスターズ(第1便は廣瀬麻微、吉田育未、梅澤乃奈、武居ちひろの四名、第2便、第3便は廣瀬麻微、梅澤乃奈、武居ちひろの三名)による、毎回一つのテーマに基づいた作品を集めた翻訳同人誌である。訳者自らが発見した作品を…
本日ご紹介するのは、『探偵は壊れた街で』『探偵は孤高の道を』の私立探偵クレア・デウィット・シリーズなどの邦訳があるサラ・グラン作、”Come Closer”。 普通じゃないことが起こっていると考える理由はなかった。 アパートの奇妙な物音。 衝動的な行動。 …
本が好きだ。そして、本屋が好きだ。さらに、本屋についての本が好きだ。というわけで、ここでは、いろいろなかたちで本屋を描くおすすめの本を三冊紹介したいと思う。 1.『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』内田洋子 文藝春秋 はじまりは、ヴ…
アメリカの第二次シビルウォーの後、プロチョイス派とプロライフ派は同意に至った。彼らの生命法によれば、人間の生命は受胎の瞬間から十三歳までは終わらせてはならない。しかし十三歳から十八歳までの間なら、親は"アンワインディング”というプロセスを経…
のんびりしたいなあ、という時がある。わりとしょっちゅうある。 そういう時に読みたいのがエッセイだ。それも短い話がいくつも入ったものがいい。それが食べ物についての話だとなおいい。食べ物の話を読むと何か食べたくなるし、何か食べなくなるということ…
今回ご紹介するのは、アフリカやアラビアの神話にルーツをもつファンタジー三部作の第一作、”The Final Strife”。 赤は精鋭たち、魔法と支配の血。 青は貧しい者たち、働く者、反逆者たちの血。 透明は奴隷たち、打ちひしがれた者、見えない者たちの血。 Syl…