夜になるまえに

本の話をするところ。

気になる未邦訳作品~国際ブッカー賞候補作編⑨~

先日、国際ブッカー賞候補作ショートリストが発表された。最初十三作だった候補作品が絞られ、六作品が残った。 thebookerprizes.com 国際ブッカー賞候補作が発表されてからずっと候補作のあらすじを紹介し続けてきたが、今回はショートリスト入りした二作品…

気になる未邦訳作品〜国際ブッカー賞候補作編⑧〜

国際ブッカー賞候補作紹介、今回はベネズエラ出身の作家Rodrigo Blanco Calderónによる"Simpatía"。 “Simpatía” の舞台はニコラス・マドゥーロ政権下のベネズエラ、多くの知識階級の人々がペットを置き去りにして出国していたころ。主人公の映画ファンUlises…

「嘘をついたのは、初めてだった」からお気に入りを五本選んでみた。

「嘘をついたのは、初めてだった」という一文から始まる二十九編の短編を集めたアンソロジー「嘘をついたのは、初めてだった」。同趣向の「黒猫を飼い始めた」に続く第二弾である。今回は本書からお気に入りを五編紹介したいと思う。 ※掲載順に並べてある。 …

気になる未邦訳作品~国際ブッカー賞候補作編⑦~

国際ブッカー賞候補作の紹介、その七です。 今回はペルー出身で現在はマドリードに拠点を置いているGabriela Wienerの作品、”Undiscovered”。 パリの民俗博物館でGabriela Wienerは、自身の受け継いだふつうではない遺産に直面していた。彼女が見ているのは…

気になる未邦訳作品~国際ブッカー賞候補作編⑥~

国際ブッカー賞候補作の紹介、その六です。今回はポーランドの詩人の小説デビュー作”White Nights”です。 詩人Urszula Honekのデビュー短編集”White Nights”はポーランド南部のBeskid Niski地域のある村で成長し暮らしている(いた)人々を襲うさまざまな悲劇…

気になる未邦訳作品〜国際ブッカー賞候補作編⑤〜

国際ブッカー賞候補作の紹介、その五です。今回はドイツの作家ジェニー・エルペンベックの"Kairos"。 ベルリン、1986年7月11日。ふたりは偶然バスで出逢った。彼女は若き学生、彼は年上で既婚者。共有する音楽と芸術への愛に煽られ、守らなければならない秘…

気になる未邦訳作品~国際ブッカー賞候補作編④~

国際ブッカー賞候補作を紹介するシリーズ第四弾です。 国際ブッカー賞候補作を紹介するシリーズはこちらから↓ saganbook.com saganbook.com saganbook.com 今回紹介するのはスウェーデンの作家Ia Genberg による”The Details”。 有名アナウンサーによる忘れ…