未邦訳
全米図書賞のフィクション部門の候補作はすべて紹介した。今回ご紹介するのはYA部門の” Kareem Between”。 七年生が始まり、Kareemは既にへまをした。 親友は引っ越し、フットボールの入部テストでしくじり、ルーツのために新入生ー恥ずかしいくらいなまって…
全米図書賞フィクション部門ファイナリストに入った作品を紹介するシリーズその4です。 その1からその3はこちら↓ saganbook.com saganbook.com saganbook.com また、過去に投稿した、候補作の一つ”Martyr!”の紹介記事はこちら↓ saganbook.com 今回ご紹介する…
全米図書賞フィクション部門ファイナリストに入った作品を紹介するシリーズその3です。 その1,その2はこちら↓ saganbook.com saganbook.com 今回ご紹介するのは、’Pemi Agudaの”Ghostroots”。 "Manifest"では、ある女性が、娘の顔に自分を虐待した母親の…
全米図書賞フィクション部門ファイナリストに入った作品を紹介するシリーズその2です。 その1はこちら↓ saganbook.com 今回ご紹介するのは Percival Everettの”James”。 奴隷にされたジムは、妻と娘から永遠に切り離されてニューオーリンズの男に売られる…
全米図書賞のファイナリストが発表された。ロングリスト十冊から半分の五冊に絞り込まれた中に、”Martyr!”を見つけて微笑んでしまった。当ブログで紹介済みの一冊である。 saganbook.com 11月20日の受賞式までに、フィクション部門でファイナリストに選出さ…
1985年、シカゴにあるアートギャラリーのデベロップメント・ディレクターであるYale Tishmanは見事な手腕を発揮し、1920年代の絵画の素晴らしいコレクションがギャラリーに寄贈されようとしている。しかし彼のキャリアが花開き始めたころ、周囲ではエイズの…
Amandaという名の若い女性が地方の病院で死にかけている。Davidという名の少年がその傍らに座っている。彼女は彼の母親ではない。彼は彼女の子どもではない。ふたりは共に、壊れた魂、毒、家族の力と絶望についての、頭に取りついて離れないような物語を語る…
国際ブッカー賞候補作紹介、今回はベネズエラ出身の作家Rodrigo Blanco Calderónによる"Simpatía"。 “Simpatía” の舞台はニコラス・マドゥーロ政権下のベネズエラ、多くの知識階級の人々がペットを置き去りにして出国していたころ。主人公の映画ファンUlises…
あなたは必要なものがたくさんあると思いながら人生を体験する…それも電話と、財布と、母親の写真だけを持って旅立つ時までだ。すべてを置き去りにした日からMarinは昔の人生に関係のある人とは誰とも口をきいていない。あの最後の数週間の真実を知る者はい…
魔法の家。秘密の過去。何もかもを変えてしまいかねない召喚。 アーサー・パルナッサスが生きているよき人生は、酷い人生の灰の上に築かれたものだ。 彼は遠く離れた風変わりな島にある奇妙な孤児院の長であり、まもなく孤児院に暮らす六人の危険で魔法を持…
Galaxy ‘Alex’ Sternはイェール大学新入生クラスのもっとも「らしくない」メンバーだ。学校は中退し、恐ろしい未解決事件の唯一の生き残りでもあるAlexは新たなスタートを切ることを望んでいた。しかし世界で最も権威ある大学の一つにただで入るからには、落…
Cyrus Shamsは暴力と喪失の継承に取り組む若者だ。彼の母が乗った飛行機は馬鹿げた事故によりペルシャ湾上空で撃ち落とされた。アメリカにいる彼の父の生活は工場式畜産場で鶏を殺すという仕事に制限されている。Cyrusは酒飲みで、依存症で、詩人であり、殉…
若い父親と息子が、二人ともが愛していた妻であり母である女性の死に打ちひしがれながら、ロードトリップに出る。悲しみによって結びついた二人が目指すのは彼女の先祖代々の家だ。そこで彼らは、彼女の遺した恐ろしい遺産と向き合わねばならない。不死を探…
ブレグジットによって社会的・政治的混乱が引き起こされ、気候危機が無視され続ける今、これらの出来事は民主主義国家として未知の領域に属すると考えるのは簡単だ。 しかし英国はこれまでにも政治危機や極右の過激思想を経験してきた。英国の抵抗運動の鍵と…
押していただけるとうれしいです!↓ ランキング参加中読書 2020年春、Laraの三人の娘たちは北ミシガンにある家族の果樹園に帰ってくる。チェリーを摘みながら、彼女たちは母親にPeter Dukeの話をしてくれるようねだる。Dukeは有名な俳優で、何年も前、Laraが…
押していただけたらうれしいです↓ ランキング参加中読書 偶然にも嵐のようなものになった兄Montyとのグランドツアーの一年後、Felicity Montagueは二つの目標を頭にイングランドへと帰還した――恋に浮かれたエディンバラの求婚者からの結婚の申し込みをかわす…
押していただけたらうれしいです↓ ランキング参加中読書 Donovanが“The Adventurers”をキッチンカウンターに置きっぱなしにした時、母親がそれを読むとは思っていなかった――ましてやそれを問題視するなんて。だって二人の登場人物が悪の天才を止めようとする…
押していただけたらうれしいです!↓ ランキング参加中読書 孤児となり、国の支配層である書記たちに仕えることを強いられているKarisは、遠い昔に国を去った兄を見つけることをほかの何より望んでいる。しかし家族のきずなはScriptoriumにとって何の意味も持…
押していただけたらうれしいです!↓ ランキング参加中読書 本当の人生はおとぎ話じゃない。 でもTiếnはまだ、地元の図書館から借りてきた本に載っているお気に入りのお話しを両親と一緒に読むのが楽しい。子どもとして親とコミュニケーションをとろうとする…
押していただけたらうれしいです!↓ ランキング参加中読書 不審な火事によって鳥類学者の母親を亡くして五年、トランスであることをオープンにしていないシリア系アメリカ人の少年は、出生時の名前を捨て新たな名前を探している。彼は祖母の唯一の介護者とし…
押していただけたらうれしいです!↓ ランキング参加中読書 Samは自らのクィアとしてのアイデンティティに慣れ親しんでいる。Samはノンバイナリーで、親友のTJもそうだ。Samの家族にとってそれはまったく問題のないことだ…ノンバイナリーの子だって部屋を片付…
↓押していただけたら嬉しいです! ランキング参加中読書 600を超える世界で最も暴力的な人間たちがプロングホーン刑務所からネバダ砂漠へと解き放たれた時、米国市場最大規模の人間狩りが始まる。 しかしJohn Kradleにとっては、妻と子どもが殺されて五年後…
押していただけたらうれしいです↓ ランキング参加中読書 Ansel Packerはあと十二時間で死ぬ予定だ。自分がやったことはわかっており、今は処刑を待っている。何年も前にあの少女たちに彼が強いたのと同じ、背すじの凍るような運命だ。しかしAnselは死にたく…
押していただけたらうれしいです↓ ランキング参加中読書 Jessには再スタートが必要だった。金もなく、ひとりぼっちで、理想的とは言えない状況下で仕事を辞めたばかりなのだ。半分血の繋がったきょうだいBenは、少しの間家に泊まってもいいかと頼まれて喜ん…
押していただけたらうれしいです!↓ ランキング参加中読書 Ashley Smithはアートを学ぶアメリカの学生で、大学三年目をロンドンで過ごしている。クリスマスは一人で過ごすつもりだったが、最後の最後で同期のEmma Chapmanから Chapman家の郊外にある屋敷、St…
押してくださるとうれしいです↓ ランキング参加中読書 誰の話にも、隠すべきことはある… 静けさは女性の恐怖の叫びで破られた。警備員がすぐさま指揮をとり、危険の正体が突き止められ、食い止められるまでじっとしているよう、中にいるすべての人に指示した…
「are you listening? アー・ユー・リスニング」の日本語版が刊行されたばかりのティリー・ウォルデンは、他にも「ウォーキング・デッド」のユニバースを舞台にした”Clementine”などなど日本への紹介が進んでほしいものが多い。ここではそのうちの一冊を紹介…
「ボーイフレンド演じます」でルークとオリヴァーは出逢い、恋に落ちたふりをし、本当に恋に落ち、傷ついた心と失望と家族の友人たちに向き合い…そしてどうにかうまくやっていく道を見つけた。今や周りの誰もが結婚しているようで、ルークはプロポーズしなけ…
パレスチナにあるRummani家の故郷から遠く離れたパシフィック・ノースウェストの病院で、死産だった赤ん坊の心臓が動き出し、その肌は鮮やかなコバルトブルーに染まった。同じ日、ナブルスに何百年も前からあるRummani家の石鹸工場が空爆で破壊される。一族…
真夜中過ぎに電話でその日死ぬ人間に死を予告するサービス〈デス=キャスト〉。そのサービス開始前夜、誰もが抱える疑問があった。実際に〈デス=キャスト〉は死を予知しているのか、それとも壮大なヤラセなのか? 深刻な心臓の疾患を抱え、何年も自分の死を告…