夜になるまえに

本の話をするところ。

気になる未邦訳作品第三十四回は”We Are Okay”(著者: Nina LaCour、出版社:Dutton Books for Young Readers)

 あなたは必要なものがたくさんあると思いながら人生を体験する…それも電話と、財布と、母親の写真だけを持って旅立つ時までだ。すべてを置き去りにした日からMarinは昔の人生に関係のある人とは誰とも口をきいていない。あの最後の数週間の真実を知る者はいない。親友のMabelでさえ知らないのだ。しかしカリフォルニア沿岸から何千マイルも離れてニューヨークの大学にいても、Marinは未だに振り切ろうとしている人生と悲劇に引っぱられるのを感じる。今、何か月も経った後、冬休みで空っぽになった寮で一人、Marinは待っている。Mabelが訪ねてきて、Marinは口にされずじまいだったすべてのことに向き合い、自分の心に棲みついた孤独と立ち向かわざるをえなくなるだろう。

 

日本でも「イエルバブエナ」が翻訳刊行されているニナ・ラクールによるマイケル・L・プリンツ賞受賞作。ちなみに同じ年、アンジー・トーマス「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ」(服部理佳訳、岩崎書店)やジェイソン・レナルズ「エレベーター」(青木千鶴訳、早川書房)も候補に挙がっていた。過去には上橋菜穂子獣の奏者」も候補に挙がっている。マイケル・L・プリンツ賞の過去の候補作・受賞作を眺めていると、けっこう好きな本があるのに気づく。サリー・ガードナー「マザーランドの月」(三辺律子訳、小学館)、エリザベス・ウェイン「コードネーム・ヴェリティ」(吉澤康子訳、東京創元社)、マリコ・タマキ, ローズマリー・ヴァレロ・オコーネル「ローラ・ディーンにふりまわされてる」(三辺律子訳、岩波書店)、Laura Ruby"Bone Gap"…YAが好きな人はきっと候補作リストを見ているだけで楽しいだろう。

 

マイケル・L・プリンツ賞 受賞作&候補作リストはこちら。

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