海外文学
『百年の孤独』が文庫化で話題になっているため、これまで三回にわたって、あわせて読んでほしいラテンアメリカ文学を紹介してきた。 saganbook.com saganbook.com saganbook.com 今回は番外編として、ある程度ラテンアメリカ文学に親しんできた人に読んでほ…
ついに文庫化されて今話題を呼んでいる『百年の孤独』。この機に乗じてラテンアメリカ文学をおすすめしたい…!と思って記事を書いた。 saganbook.com saganbook.com 今回も更なるおすすめラテンアメリカ文学を紹介したいと思う。 1.『ペドロ・パラモ』フア…
『百年の孤独』の次に読んでほしいラテンアメリカ文学 第二弾です。
『百年の孤独』の次に読んでほしいラテンアメリカ文学を紹介します。
若い父親と息子が、二人ともが愛していた妻であり母である女性の死に打ちひしがれながら、ロードトリップに出る。悲しみによって結びついた二人が目指すのは彼女の先祖代々の家だ。そこで彼らは、彼女の遺した恐ろしい遺産と向き合わねばならない。不死を探…
ブレグジットによって社会的・政治的混乱が引き起こされ、気候危機が無視され続ける今、これらの出来事は民主主義国家として未知の領域に属すると考えるのは簡単だ。 しかし英国はこれまでにも政治危機や極右の過激思想を経験してきた。英国の抵抗運動の鍵と…
押していただけるとうれしいです!↓ ランキング参加中読書 2020年春、Laraの三人の娘たちは北ミシガンにある家族の果樹園に帰ってくる。チェリーを摘みながら、彼女たちは母親にPeter Dukeの話をしてくれるようねだる。Dukeは有名な俳優で、何年も前、Laraが…
押していただけたらうれしいです↓ ランキング参加中読書 若いふたりが書店で出逢う。ひとめぼれだ。ふたりは付き合うようになる。花束を持って相手の家に行く。ふたりは外に出かける。一緒にボートに乗る。なんてロマンティック! 高校生のふたりの関係には…
押していただけたらうれしいです↓ ランキング参加中読書 シヴォーン・ダウドについて ロンドン・アイの謎 ボグ・チャイルド サラスの旅 十三番目の子 THE PAVEE AND THE BUFFER GIRL 怪物はささやく グッゲンハイムの謎 シヴォーン・ダウドについて シヴォー…
「ボーイフレンド演じます」でルークとオリヴァーは出逢い、恋に落ちたふりをし、本当に恋に落ち、傷ついた心と失望と家族の友人たちに向き合い…そしてどうにかうまくやっていく道を見つけた。今や周りの誰もが結婚しているようで、ルークはプロポーズしなけ…
パレスチナにあるRummani家の故郷から遠く離れたパシフィック・ノースウェストの病院で、死産だった赤ん坊の心臓が動き出し、その肌は鮮やかなコバルトブルーに染まった。同じ日、ナブルスに何百年も前からあるRummani家の石鹸工場が空爆で破壊される。一族…
Amanda Hardyは地元を離れ、新しい町で新しい学校に通い始める。友人を作り、Grantという好きな男の子もできた。彼女には誰にも打ち明けられない秘密がある。その秘密をGrantに話してしまいたいと彼女は思う。かつては違う名前で呼ばれ、自分とは違う人間で…
Manuel Rocaの敵たちは彼を追い詰めて殺したが、一番下の娘Ninaが農場の床下に隠れているのに気づかなかった。殺人者のひとり、Titoは、殺人の後でNinaが隠れている場所の上げ戸に気づく。Ninaの非の打ち所がない無垢さに心を打たれた彼は口をつぐんだ。成長…
国の名前を聞くと、思い出す作家がいる。 たとえば、オランダなら「ウールフ、黒い湖」のハーセだ。スペインならフリオ・リャマサーレス、ポーランドならヴィトルド・ゴンブローヴィッチ。翻訳されている作品の少ない国ほど、一人の作家のイメージと結びつい…
頑張れば夢は叶う。努力は必ず報われる。悪人にはきっと罰が当たる。善人は幸運に見舞われる。 ……と説くような物語が嫌いだ。頑張っても夢が叶わず、どんなに努力しても報われず、悪人が大した罰も受けずにのほほんと生きのび、善人が不運に見舞われて貧する…
押していただけたらうれしいです!↓ ランキング参加中読書 離陸した6分後、1421便は海に墜落する。生存者は自分たちを幸運だと思っていた。しかし彼らを内に閉じ込めたまま、機体は海底へと沈み始める…大規模な救出作戦が始まるが、時間はない。酸素も残り少…
いろいろな泣き方をする人がいる。ただはらはらと涙だけを流す人、悲しみを外に出してしまおうとするかのように声を上げる人、顔を赤くして、鼻水を流して、ひとりで、誰かに慰められながら、人は泣く。この小説を泣く人にたとえるとしたら、どのように泣く…
オリヴィアは心臓外科医の夫、美しい息子アッシャーとボストンで完璧な生活を送っていた。しかし夫が秘密にしていた暗い部分を明らかにするとその生活はひっくりかえってしまう。オリヴィアはアッシャーを連れてニューハンプシャーの故郷の町に戻り、生まれ…
これから未邦訳の気になる作品を週一回語っていこうと思う。第一回は” Las malas mujeres” (作:Marilar Aleixandre、出版社:Xordica)。 1863年、スペインのコルーニャ。女子刑務所に収監されているのは、子どもたちに与えようとパンを盗んだ者、これ以上…
ネッテルの文章は静かだ。出てくる人物たちも静かだ。声を荒げる、暴れる、そういうことを、彼らはしない。けれども彼らは、彼らが抱えている孤独は、たぶん地団駄を踏んで泣きわめく、といった、激しい動作で訴えても納得がいくくらいに、深い。孤独。ネッ…
ある日、フォード中学の生徒たちに送られてきた「かわいい女の子ランキング」。一位はおとなしい女の子イヴだった。イヴの父親や妹ハンナはそれを「ほめられている」と受け取る。 そのくだりを読んでいて、だめだよ、と思った。「かわいい女の子ランキング」…
嫌、なのだ。イヤ、でも、いや、でもない。漢字で書くべきだ。嫌。「わたしたちが火の中で失くしたもの」を読んで真っ先に思い浮かぶ言葉である。 何が嫌なのか。たとえば「パブリートは小さな釘を打った」。ラストが嫌である。たとえばホラー映画のラスト、…
時に人と人との関係は暴力的なものになる――こう書くと、恐らくはたいていの人が「それはそうだろう」と思うのではないだろうか。しかし、そこにいくつかの要素を足してみよう。親にたたかれた――それは子どもであるあなたが悪いことをしたから躾をしているの…
皆さんはモーリス・ルヴェルという作家をご存じだろうか。 フランスのポオと呼ばれ、ヴィリエ・ド・リラダン、モーパッサンの系譜に列なる作風をもって仏英読書人を魅了した、鬼才ルヴェル。恐怖と残酷、謎や意外性に満ち、ペーソスと人情味を湛える作品群は…
本を愛する人は決して油断してはいけない。気になる本はとにかく気になった時に買うのだ。…と前回書いた。自分の本棚を見て、あれもこれももう新しい本では手に入らないのだなあ…と思うと感慨深いものがある(今部屋の整理をしているのである)。そしてでき…
皆さんは白水Uブックスがお好きだろうか。私は大好きである。念のために解説すると白水Uブックスとは、白水社が出している新書サイズのシリーズで、岸本佐知子著「気になる部分」のようなエッセイなどもあるが、主に海外文学を出している。あのラインナップ…
この伝記の主人公が自らの祖先と名のる家族は、ひじょうに古い家系のひとつであると広く認められている。だから家名そのものの由来もよくわからなくなっているのも、ふしぎではない。(p.7) という文章を読んで、あなたはこの「主人公」をどういう人物だと…
何をどう語ればこの本の美しさを伝えることができるのだろう? 「泣ける」という言葉では到底それは伝わらない。たとえば「汗の贈り物」を、「言葉の贈り物」「悼みの贈り物」を読んで泣いてしまうことは、この本を「泣ける本」のカテゴリーに入れるに十分な…
一五八〇年代のイギリスに暮らすある夫婦には、三人の子どもがいた。しかしある時、下の娘ジュディスがペストに罹ってしまう。母アグネスと双子の兄ハムネットは懸命に彼女を看病するが。 この小説のあらすじを簡単に書くとしよう。すると、上のようになるこ…
告白しよう。この本が苦手だった。 本書「サワー・ハート」は中国からアメリカへの移民家族を描いた短編集である。冒頭に置かれた、満足にトイレにさえ行けず、やがては崩壊してしまう(!)アパートに暮らす極貧家族の話「ウィ・ラブ・ユー・クリスピーナ」…