国際ブッカー賞候補作の紹介、その六です。今回はポーランドの詩人の小説デビュー作”White Nights”です。
詩人Urszula Honekのデビュー短編集”White Nights”はポーランド南部のBeskid Niski地域のある村で成長し暮らしている(いた)人々を襲うさまざまな悲劇や不運についての、相互に関連しあう一連の短編小説から成る。各話はちがう人物中心にすえ、貧困、失望、悲劇、残酷さ、そして彼らを取り囲む、なにもかも無駄だという普遍的な感覚に襲われながらも、そしてしばしばそれらのことを知らないがために、彼らがなんとかやっているさま、生きのび、あるいはただそこにいる様子を描いている。Urszulaはこのうえなく誠実に注意深くまた正直に、限られた地域の、しかし非常に明らかに普遍的な、破滅と希望の物語を語る。主人公たちが理解されることではなく、ただ見られ、聞かれることを願う物語を。
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国際ブッカー賞が発表される5月21日までに候補作13冊をすべて紹介したいと思っております。13冊が6冊にしぼられるショートリストは4月9日発表予定。
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