夜になるまえに

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気になる未邦訳作品~国際ブッカー賞候補作編④~

国際ブッカー賞候補作を紹介するシリーズ第四弾です。

 

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今回紹介するのはスウェーデンの作家Ia Genberg による”The Details”。

 

有名アナウンサーによる忘れ去られたラブレター。友人が突然姿を消す。恋人が思わぬものを残していく。心に傷を負った女性が自らの不安によって消耗する。

高熱に苦しみ、ある女性が臥せっている。突然、かつて読んだ小説を再読せねばという衝動に彼女は駆られる。その本には献辞がある。元恋人からのメッセージだ。

彼女の過去がひもとかれていく。忘れられないこと、忘れられない人たちでいっぱいの過去が。例の元恋人、Johannaは今や有名なテレビの司会者だ。Nikiは何年も前に失踪してしまった友人だ。Alejandroはまさに正しい時に嵐のように現れた。Birgitteのつかみどころのないところは、痛みに満ちた秘密を隠していた。

肖像画の真のテーマとは誰なのだろう。描かれる人物か、それとも筆を持つ方なのか。”The Details”はそんな四つの肖像をめぐって書かれた小説であり、人生を作り上げる記憶と経験の断片をあらわにする。気分を高揚させるような刺激的な文章で、 Ia Genbergは人間であることの意味を徹底的かつパワフルに称える。

 

 

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