夜になるまえに

本の話をするところ。

気になる未邦訳作品 第六回"Senza sangue" (著:Alessandro Baricco、出版社:Rizzoli)

Manuel Rocaの敵たちは彼を追い詰めて殺したが、一番下の娘Ninaが農場の床下に隠れているのに気づかなかった。殺人者のひとり、Titoは、殺人の後でNinaが隠れている場所の上げ戸に気づく。Ninaの非の打ち所がない無垢さに心を打たれた彼は口をつぐんだ。成長を遂げたNinaはその無垢さをまったく別のものへと花開かせ、戦争中、狩る立場だったものたちは、平和な時代、一人また一人と狩られることになるだろう。しかし、魅力的な老女が街で新聞を売る馴染みの老人を訪ねる時になってはじめて、Ninaが最終的に凄惨な遺産から何を生み出そうとしているのかを我々は知ることになる。

 

 

海の上のピアニスト」「絹」など日本でも翻訳のあるイタリアの作家、アレッサンドロ・バリッコによる2002年の作。100ページ余りのボリュームで描かれる、戦争の凄惨さについての寓話。

 

イタリア語版の出版社の作品ページはこちら↓

www.rizzolilibri.it

 

英語版の出版社の作品ページはこちら↓

www.penguinrandomhouse.com

 

バリッコ「絹」についてはこちらを。

arimbaud.hatenablog.com

 

ついでに白水Uブックスについてはこちらを。

arimbaud.hatenablog.com