夜になるまえに

本の話をするところ。

気になる未邦訳作品第十六回”Alice Austen Lived Here”(著者:Alex Gino、出版社:Scholastic)

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Samは自らのクィアとしてのアイデンティティに慣れ親しんでいる。Samはノンバイナリーで、親友のTJもそうだ。Samの家族にとってそれはまったく問題のないことだ…ノンバイナリーの子だって部屋を片付け、宿題をし、先生をを敵に回しすぎないよう努力する必要があるのだとSamが覚えているかぎりは。

歴史の授業になると、先生に敬意を抱くのは、難しい。なぜなら教師が死んだストレートでシスジェンダーで白人の男性(Dead Straight Cis White Men、略してDSCWM )だけが歴史を作って来たと信じているみたいだから。家に帰ると、スタテン・アイランド地区が新しい彫像を誰にするかのコンテストを開催していた。Samは完璧な非DSCWMのテーマを見つける。写真家のAlice Austenだ。Aliceの家は博物館になっており、Aliceは何十年も女性のパートナーと暮らしていた。

すぐに、Samのプロジェクトがコンテストを勝ち抜けるかどうかは唯一の問題ではなくなる。これはSamもその一部である豊かなクィアの歴史を発見することでもあるーーその歴史は、SamやTJのような子どもたちがそのために立ち上がるかぎり、もはや沈黙する必要などないのだ。

 

著者Alex Ginoは日本でもトランスジェンダーの女の子を主人公にした「ジョージと秘密のメリッサ」が翻訳されている。この本は当初”George”というタイトルで出版されたが、「キャラクターが好きでなく、自分を表すのに使ってほしくないと思っている名前をタイトルにしたのは間違いだった」として”Melissa”と改題されている。

www.theguardian.com

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