夜になるまえに

本の話をするところ。

気になる未邦訳作品”Distancia de rescate” de Samanta Schweblin

 

Amandaという名の若い女性が地方の病院で死にかけている。Davidという名の少年がその傍らに座っている。彼女は彼の母親ではない。彼は彼女の子どもではない。ふたりは共に、壊れた魂、毒、家族の力と絶望についての、頭に取りついて離れないような物語を語る。

    

日本では「口のなかの小鳥たち」「七つのからっぽな家」と短編集が二冊翻訳されているサマンタ・シュウェブリンによる初のノヴェラ。128ページというボリュームは長編と呼ぶには短すぎるだろうか。スペイン語版が2014年に刊行された後、英語版”
Fever Dream”が2017年に刊行され、国際ブッカー賞候補になり、最終候補六作品に残った(受賞したのはデイヴィッド・グロスマン”A Horse Walks Into a Bar”)。同年シャーリー・ジャクソン賞をノヴェラ部門で受賞。ちなみに同じ年の「ひとりの作者による短編集」部門ではカルメン・マリア・マチャドの「彼女の体とその他の断片」が受賞している。

 

www.penguinrandomhouse.com

 

サマンタ・シュウェブリンの未邦訳作品は過去にもう一つ記事を書いている。こちらも合わせて翻訳されることを!↓

 

saganbook.com