BaddawiはAhmadという名の少年が世界に居場所を見つけようともがく物語である。レバノン北部にあるBaddawiという難民キャンプで育った Ahmad は一九四八年、イスラエル建国につながった戦争の後で故郷を逃れた何千もの難民の子どもたちのひとりだ。
このビジュアル的に目を引くグラフィックノベルで、Leila Abdelrazaqは一九六〇年代および七〇年代の父の子ども時代を少年の目から探求するー彼は世界が崩れていく様を目撃しながら、歩みを止めまいとし、ひどい不確実さに取り巻かれながら自らの道を築いていく。
Ahmadは受け入れ国で混乱と暴力が高まる中、混みあった、しかし活気のあるコミュニティに育ち、休日や友人たちとの冒険などのよろこびを経験し、校庭のいじめっこからレバノン内戦中の家族との別離まで、大きな重荷に直面する。Ahmadが粘り強く教育と機会を追い求める姿は、いつの日にか故郷に帰るという決意を断固として捨てず、現在の状況を最大限に活用するパレスチナの人々の旅路を反映している。
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日本語で読めてしかも文庫で手に入る「ハイファに戻って 太陽の男たち」をぜひ読んでほしい。
こちらもパレスチナの作家による未邦訳作品。