はじめに
Netflixのドラマ「HEARTSTOPPER ハートストッパー」が人気である。
Twitterではこのドラマに魅了された人々の感想が絶え間なく流れてくる。原作の魅力をそのままに、主人公二人はほぼ変更なく忠実に描かれ、しかしタオとエルという二人のキャラクターとその関係はより掘り下げられ、脇を固めるアジャイ先生はより出番が増えていい味を出していて、ニックの母親はなんとオリヴィア・コールマンが演じている(あのスティーヴン・フライも声のみ出演している!)。変えるべきところは変え、残すべきところは残し、映像化としてすばらしい出来と言えよう。原作者アリス・オズマン自身が脚本を書き、また「creator」として関わっているのも納得だ(オズマンは最終話にカメオ出演もしている)。
ここでは原作コミックについて少し語ろうと思う。
はじまりはWeb漫画
アリス・オズマン公式HPにあるとおり、「HEARTSTOPPER ハートストッパー」はWeb漫画としてはじまった。その後人気を獲得し、オズマンが限定の紙の本バージョンを作るためクラウドファンディングをたちあげると、二時間もしないうちに目標金額を達成したという。
その後Hachette Children’s Groupによって二〇一九年から出版が始まった。現在四巻まで刊行されている。日本語版は二〇二一年に牧野琴子訳でトゥーヴァージンズが刊行を開始、現在三巻まで刊行されており、HEARTSTOPPER ハートストッパー日本語版公式Twitter( https://twitter.com/heartstopper_jp )によると、四巻が二〇二二年六月に発売予定だそうだ。
実は無料で読める?
Web漫画としてはじまった「HEARTSTOPPER ハートストッパー」、実は英語版は最新話までこちらから↓無料で読むことができる。
しかし、紙の本に収録されているおまけページや、本編の後のミニコミック(日本版二巻に収録の「練習室にて」、三巻に収録の「初日」)はWeb版では読むことができない。
さらに、逆にWeb版でしか読めないエピソードもある。たとえば、本編第二章の十二話と十三話の間のエピソードである“Moments”がそれだ。
Moments
チャーリーとニックが付き合う前、チャーリーがアレッドを相手にニックとのエピソードを語る話。
→その後、「胸キュン・モーメント」として「The HEARTSTOPPER YEARBOOK ハートストッパー・イヤーブック」に日本語版が収録された。
Webでの公開順からして四巻あるいは五巻に収録されるかもしれないが、”Moments”のようにWeb版限定になるかもしれないエピソードが他に三つある。
The Teachers
三巻収録のパリ旅行後のアジャイ先生とファールーク先生の話。三巻まで読んだ人なら問題なく読める。
→その後、「先生の恋」として「The HEARTSTOPPER YEARBOOK ハートストッパー・イヤーブック」に日本語版が収録された。
The Haircut
恐らくは数年後の未来、ニックがチャーリーの髪を切る話。
The Ethics of Infatuation Dynamics
チャーリーがファンだという学者にニックが嫉妬する話。四巻以降のネタバレはなし。
というわけで、ぜひ紙の本で集めた後、Web版も読んでいただきたい。これ以外にも、他のアーティストが絵を描いた番外編やパロディもあります。
五巻で終わる?
これは作者アリス・オズマンが「HEARTSTOPPER ハートストッパー」の更新を休むと告知した時のスレッドだが、「少し休暇を取り、「HEARTSTOPPER ハートストッパー」最終巻である五巻が可能な限り最高なものになるように最後の二章の構想を練る」とあるので、五巻で終わることは間違いないようである。
https://twitter.com/AliceOseman/status/1363444514074091520
小説版もある?
アリス・オズマンはYA小説の作者として十七歳で契約を結び十九歳で最初の本「Solitaire」を出版している。主役はトリ・スプリング、「HEARTSTOPPER ハートストッパー」の主人公チャーリーの姉である。
また、チャーリーの友人アレッドは二作目の小説「Radio Silence」に登場する。
「HEARTSTOPPER ハートストッパー」の主人公二人がメインで登場する小説は二冊ある。
This Winter
トリ、チャーリー、オリバーというスプリング家の子どもたちの目から語られる、ある年のうまくいかないクリスマスの話。本編の五章と六章の間のエピソード。
“This Winter”レビューはこちら↓
Nick and Charlie
大学に進学するニックと後に残されるチャーリー、離れ離れになる時が近づくにつれ、二人は自分たちの愛情を疑い始める。本編から見て未来のエピソード。
”Nick and Charlie”のレビューはこちら↓
ファンブック「The HEARTSTOPPER YEARBOOK ハートストッパー・イヤーブック」のレビューはこちら↓
さいごに
日本版「HEARTSTOPPER ハートストッパー」は各種漫画サイトからも試し読みできるが、公式のTwitterアカウントのものがまとまって読めるようだ。
1巻試し読み↓
https://twitter.com/heartstopper_jp/status/1506151321673424897
https://twitter.com/heartstopper_jp/status/1510059902148165632
2巻試し読み↓
https://twitter.com/heartstopper_jp/status/1514520618485497858
世界中の人の心をとらえたこの物語の魅力がより広まりますように。